消費の潜在需要発掘を
- 2019/07/11
- 17:33
消費の潜在需要発掘を
(消費は飽和したか)
消費の低調さは単に景気が停滞し消費者が支出を抑制しているからだけではなく,消費そのものが飽和してしまったからではないか,という議論がある。
まず,家計調査により財・サービス別消費の推移をみると,非耐久消費財(食料,光熱・水道等)が75年には消費支出の49%であったのが97年には41%に下がり,半耐久消費財(衣類,什器等)も同16%から11%に下がったのに対し,サービスは同28%から41%へ大幅に上昇しており,消費がサービス支出にシフトする傾向にある( 注10 )。おおまかにいえば,必需的消費から裁量的消費にウエイトがシフトしているとみることができる。
このように,サービスが順調に構成比を伸ばす一方で,耐久消費財についてみても普及率が既に高いものが多いため,故障による買換えといった必需的な購入が増えるのは否めないが,上位品目への買換えや追加の買増しといった能動的な購入の比率もそれほど低下してはいない( 注11 )。つまり,普及率が既に高くなっていても冷蔵庫やカラーテレビの大型化,洗濯機の全自動化のように高機能化することで買換えを促すことも可能である。さらに,CDプレーヤーや,ビデオカメラのように普及率が上昇傾向にあるものや,MDプレーヤー等の新規需要が旺盛なものもあることから,耐久消費財全体についても構成比は頭打ち傾向にあるものの,飽和してしまったとはいえない( 注12 )。
このように,消費需要が飽和したとはいえず,消費財・サービスを供給する側による,消費者ニーズやライフスタイルの多様化に合わせ,またニーズを発掘するような,全く新しい製品,サービスの供給や,既成商品の高性能化,低価格化によって,消費需要を喚起する余地は十分あると考えられる。また,そうした供給する側の自由な活動が,合理的根拠を欠いた公的規制や商慣行によって阻害されているならば,そうした規制や慣行を取り除く必要がある。
平成10年の経済白書では、買い替え需要によって高機能の商品が売れる余地があるから第2次産業の需要が飽和状態に達したとは言えないと結論付けている。
実にマヌケな意見である。
何故なら、需要が拡大し続けていなければ飽和だからだ。
日本の第2次産業は、人口比もGDP比も減少し続けている。つまり、第2次産業の需要の拡大は止まり、買い替え需要だけになってしまったということだ。
どうして需要の飽和を認めようとしないのかというと、飽和を認めてしまうと経済成長の限界を認めることになるからだよ。
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